居住用財産を譲渡して譲渡損が発生した場合

 居住用財産を譲渡して譲渡損が発生した場合、一定の要件を満たせば、譲渡損失を他の所得と相殺し、相殺しきれない損失は、翌年に繰り越すことが可能です。

居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用がある場合

 譲渡損の損益通算が受けられるのは、譲渡をしても住宅借入金が残っている場合です。
 借入金の残高から売却代金を控除した残りの金額と譲渡損失の金額のどちらか小さい金額が損益通算できる金額となります。
 損失を他の所得から控除して、まだ損失が残っていれば、翌年以後3年間繰り越すことができます。(ただし、翌年以後については、合計所得金額が3,000万円を超えた年は繰り越した損失と相殺することができません。)

具体例

売却代金 2,000万円 購入代金 7,000万円 売却直前の借入金残高 3,000万円の場合
 2,000万円 - 7,000万円 = ▲5,000万円(譲渡損失)
 3,000万円(借入金)-2,000万円(売却代金)=1,000万円(損益通算の限度額)
 5,000万円 > 1,000万円
 1,000万円が損益通算可能

 ※分かりやすくするため、減価償却費などは考慮しておりません。

居住用財産の譲渡損失の損益通算の特例を受けるための適用要件

 居住用財産の譲渡損失の損益通算の特例を受けるためには、下記の要件を満たしている必要があります。

 (1)自分が住んでいる家、その敷地の譲渡である(転勤して家族が住んでいる場合も可)
 (2)以前住んでいた場合は、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに譲渡している
 (3)住宅借入金は新築のために金融機関等から借り入れたもので、借入時の返済期間が10年以上のものである
 (4)譲渡した年の1月1日において、譲渡資産の所有期間が5年を超えること
 (5)前年以前など3年以内の年において、居住用財産の譲渡損失の損益通算の特例の適用を受けないこと
 (6)譲渡した年の前年、前々年に、居住用財産を譲渡して課税の特例を受けていないこと
 (7)譲渡した年に居住用財産の買換え等居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算の特例の適用を受けないこと
 (8)売り手と買い手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと

実際に適用を受けられるかどうかは、税務署または専門家にご相談下さい。

適用を受けるためには?

 居住用財産の買換えの特例の適用を受けるためには、次の書類を添付して確定申告を行います。

・譲渡所得の内訳書
・譲渡資産の売買契約書(取得時、譲渡時)の写し
・譲渡費用、取得費用等の領収書等の写し
・譲渡所得申告のチェックシート
・特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書
・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
・譲渡資産の登記事項証明書
・借地権等がある場合は、土地賃貸借契約書など
・譲渡した物件の所在地を管轄する市区町村から交付を受けた住民票(除票)の写し(譲渡した日から2ヵ月を経過した後に交付を受けたものに限る)または戸籍の附票の写し
・譲渡契約締結日の前日現在の譲渡資産の住宅借入金等の残高証明書

譲渡所得の確定申告のご依頼

 譲渡所得の取得費や譲渡費用などは複雑な計算が必要です。ご自身で申告するのは難しいという方は、譲渡所得の確定申告のご依頼を受け付けております。

 お問い合わせ後、確定申告に必要な書類を提示させていただきますので、ご用意お願いします。当事務所に来ていただくか、こちらからお伺いさせていただいて、資料をお預かりいたします。
 遠方の場合や、お忙しい場合などは、郵送での書類のやりとりも可能です。

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居住用財産の譲渡

 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例について簡単に説明したページです。
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